恋愛倶楽部 -love-
これは1つの覚悟だ。
そんな日が、いつか来ると予想はしてたの。
「なぁ…それって、亜蓮先輩に会うって意味だろ?」
核心を突いた奏斗が、目の前まで来て止まる。
ついあたしは目を逸らした。
「そ…だよ」
今までずっと、あたしの恋愛相談の相手は高校入学当時から仲の良かった奏斗だったから。
何もかも見透かされているような気がして。
「悪いけど、それはオレ反対」
「なんでっ」
「ゆゆが泣くから」
即答だった。
「……泣かないよ」
返してみても、予想以上に小さな声しか出せない。
ダメだ、これじゃまるで説得力がないじゃん。
1度は奏斗を見た目線も、また床へと下っていく。
泣かないって言いきれる自信がないのは本音。
でも、泣くって言いきることもできない。
直接その状況になってみなきゃ相手の態度だってわからないわけだし。
「奏斗、知ってるよね?
あたしが猪突猛進だって」
最近、わからないことだらけで自分の性格さえ忘れかけていた。
「考えたって何も変わらないんだから、突き進んでみるのが正解でしょ?」
頭脳労働が苦手なんだから、あたしは行動しちゃったほうが絶対いいに決まってる。