恋愛倶楽部 -love-
「そりゃあ間違っちゃいないけどな、行動するったって内容によっては考えるのが先のことだってあるだろ」
「じゃあ奏斗は、このままでいいって言うの?」
このまま、紅珠沙が闇紫苑を壊す。
あたしは無理だ。
誰かが傷つけられそうなのに、それを黙って見てろだなんて。
紅珠沙があたしを利用しようとしてるなら尚更。
逃げられない立場に置かれたなら、いっそ傷が増える前に防ぎたい。
「あの、ゆずゆちゃん」
反発し合う考えに、なかなか答えを見つけ出せないまま。
次に躊躇いがちに口を開いたのは牡丹だった。
「私は、ゆずゆちゃんがどうしてもと言うなら闇紫苑のところへ行くのを止めるつもりはありません」
「おい、牡丹!」
言葉を遮るように叫んだ声に、牡丹は一瞬奏斗を見る。
それからすぐ、こちらへと揺らいだ瞳を向けた。
「ただ、1つ聞きたいことがあります。
差出人不明のメールに書かれていた【紫は味方にはなれない】。
もしそのことが事実だったとしても、守りたいと思いますか?」
目を逸らせないくらいに、じっと捉えられて。
まるで牡丹の語り声は、呪縛的な何かのようにさえ感じられる。
【紫は決して味方にはなれないことを忘れてはいけない】
もし、それが本当だとしたら……完全に黒蓮華と闇紫苑は敵対関係。