恋愛倶楽部 -love-
心の内を言ってしまえば、仮定の話だけであってほしい。
けれど、敵対関係である可能性を高く見たほうが納得がいく。
あたしの中に生まれた戸惑い。
それはきっと、恐怖にも似た感情。
「行動してみなきゃ、何も始まらない。
だから………進む、守りたい」
沸き立つ感情を打ち払うように、自分に言い聞かせて。
「ならば、私はゆずゆちゃんを応援します」
どこか儚げな笑顔を浮かべ頷いてくれる牡丹がいなければ、あたしの心は折れていたかもしれない。
ずいぶん長い時間、重たい空気が流れている。
普段の賑やかさは微塵もない部室。
「………帰る」
ただ一言残して、立ち去る彼を呼び止めることもできずに。
唇を噛みしめて泣きそうになるのを堪えるだけ。
奏斗、ごめん。
ワガママで、ごめん。
「すみません、私も失礼します」
慌てて教室を出た牡丹は、たぶん奏斗を追いかけに行った。
牡丹、ごめん。
振り回してばかりで、ごめん。
「ねぇゆゆ、遠くにいかない?
これからも、ずっと一緒にいられるよね?」
「風音……?」
今まで俯いていた風音は、顔をあげてあたしの両肩を掴んだ。