恋愛倶楽部 -love-



せっかく誘ってあげたのに、優しさってものがないのかしら。



「話を聞いていないのはお互い様だと思うのですけれど……」

控えめな感じで語る牡丹は、なぜか困った顔をしていて。


まぁ困った顔になるのは、仕方ないのかもしれない。

メンバーがメンバーだから。



「ところで、ネギパーティーって具体的に何をするんでしょう?
大量のネギ料理を食べたり、ネギを持って踊ったり、持参したネギを交換したり……っ私、そんなことできません!
ネギを持って踊るだなんて、恥ずかしすぎ───」

「ねぇゆゆ、本伊先輩壊れちゃったよ?なんで?」



それはね風音、牡丹が勝手に勘違いをしてしまったからよ。


ひょっとして、牡丹の困った表情の原因はあたしか?

禁句だったのか、ネギパーティー。



「………おい、誰かツッコミをくれ」

真横で顔を引きつらせる寿羅に関しては、しばらく助けはないだろう。



普段どちらかと言えばツッコミ役の奏斗は旅立っているし。

黎緒先輩はそこらへん放棄するし。

風音は状況を把握できないコだし。



「うーん…とりあえず、休もっか?」

牡丹がちゃんと元に戻るまで。


大混乱を起こし中の牡丹へ手を伸ばし、引っ張って行く。



ん……?

今、なんか………






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