恋愛倶楽部 -love-
目を凝らせば視界に入るのは
「ほら、元気出して」
「一緒に探してあげるから、男なら泣くんじゃないわよ」
「お名前なんていうのぉ?」
………あれは、いったい。
「おっ、綺麗なお姉さん!」
「ちょっ、奏斗待て!」
しまった、奏斗の大好物が前方に。
どうやら泣き続ける風音を心配した女の子たちが、必死に慰めてくれていたようだ。
さすが、外見可愛いだけあるわ。
奏斗を止めるための大声に気づいて、慰められ中の張本人がこちらを振り向いた。
「うぅーっ……ゆゆだぁ!」
って、おいおい待て待て、風音落ち着け。
「すすす.ストップ!
止まれ、停止、一時停──うわっ」
とっさに突き出した両手も虚しく、走って来た風音に抱きつかれる。
本来は、抱きしめられるのが表現としては正しいっぽいけど。
しかもなんだ?
「それ、どうしたの?」
抱きつく風音の片手には、ちょっとばかり大きめなサイズのぬいぐるみが。
「うさぴょんだよ?」
う…うさ…うさぴょ……っ。
「ゆゆ、肩震えてる?寒いの?」
「べべべべべべ.別に!?」