恋愛倶楽部 -love-



なんというネーミングセンス。

ウサギのぬいぐるみだからって、ありがちな名前つけやがって。



うさ…うさぴょ……


「そっ.そうなんだ〜。
へぇ、うさぴょ…ぶっ」

ヤバい、笑いが堪えられない。



「うん、そうなの。
ゆゆにあげよって思ってUFOキャッチャーで取ったんだよ!」

あたしに!?


「そ.それは、ありがとう。
大事にするね、うさ……」

「うさぴょんだよっ。
やっぱりゆゆ肩震えて──」

「嬉しくて涙がっ、あははははー‥」



ごめんなさい嘘です。

笑うの堪えてて涙がっ、が正解です。



「喜んでくれてるのーっ?
やったぁ、ゆゆだーいすき!」

どうしてこのコったら、こういう時だけは純粋に物事を捉えるのかしら。

罪悪感芽生えちゃうんだけど。



「いやー‥仲間世話させちゃって悪かったなー。
あ、今度お礼したいからメアドとか教えてくんねー?」

「……奏斗くん?
あなた、そろそろハゲになりたいのかな?」


女の子たちに向かって、ある意味いつも通りのセリフを吐く。

口説いてんじゃねぇぞ。


「オレはただ、お礼をだなー」

「あぁ、この度は風音がお世話になりました。
じゃ、お礼したから行くぞ」






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