恋愛倶楽部 -love-



伸びてきた春海の指が、あたしの頬をつーっと撫でた。

思わずした身震い。

気持ち悪い。



「なら、大切な人の居場所を探せばいいの。
あなたの仲間は誰?って会って話せる口実になるのよ。
好都合だと思わない?」

まっすぐに絡み合う視線。

なんだか吸い込まれそうで、逃げるように視線を逸らす。



「そうそう、あなたって本当に仲間から好かれて大切に可愛がられているのね」

この場から逃げ去りたい。

もう目を瞑ってしまいたい。



「今頃、その仲間は何をしているかしら。
可愛い子猫がいないって大騒ぎしているかもしれないわね」

「何が、言いたいの?」

「拒否してみなさいよ。
あなたの大切なものはすべて、私が奪って差し上げるわ」


でも……逃げ去ることは、簡単なことじゃないんだ。

戦うよりも逃げることのほうが、ずっと勇気がいる。

失うものが大きいから。



「さぁ、どうするのかしら」

まだ怖くて、目を合わせることはできなかった。


俯いてでしか答えられないなんて

「拒否はしない。
けどあんたたちの言うことには従えない。
あたしには、あたしのやり方があるから」

やっぱ情けない弱虫だよ。






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