恋愛倶楽部 -love-
寿羅とお互いに苦笑いのまま顔を見合わせる。
いつから、あたしたち息ぴったりになったの?
いや、少なくとも寿羅だけがマトモなんだ。
「蘭さん、安全第一だよ。
松永くんは蘭さんと気が合うみたいだし、いてくれないとね」
あ、しまった。
黎緒先輩を敵に回してしまった。
溢れ出る黒いオーラ。
この流れ、もしかすると
「ゆずゆちゃんたちに、拒否権はありません」
やっぱりですか。
「牡丹もいいっつってんだから、みんなで泊まろーぜー」
あたし、何やってんだろう。
こう迫られると断れなくなる性格でして。
「1日くらいなら……」
「はぁ!?蘭、何言って」
「じゃ決まりなー」
ごめん寿羅、あたし勝てなかったよ。
だって黎緒先輩怖い。
牡丹の不憫さを思い出すと放っておけない。
奏斗に反論すると、めんどくさい。
「俺は絶対嫌だ!」
騒ぐ寿羅を説得する3人。
「うるさいよぉ!」
寝起きでキレ出した風音が加わりヒートアップ。
会話には不参加で光景だけを眺めていると、脳裏をよぎったのはあの台詞。
【右腕に花みたいな刺青?があった気がする】
そういえば、右腕だったな………あいつも。