恋愛倶楽部 -love-
他人の報告、か。
いったい何のために?
「ま、悪戯かもしれないし、僕が相手しとくよ」
考え込むあたしの頭にポンと手を置いて、優しい笑みが向けられる。
「あぁ…はい。お願いします」
それに少し戸惑って、つい愛想笑いを返した。
黎緒先輩、やっぱ美形……。
「ゆゆー、買ってきてやったぞー」
不覚にも見とれていると、入り口から奏斗の声。
こちらに向けて差し出された片手には、ミルクティー。
「あーっ!ありがとう奏斗」
テンション上々。
それを受け取り、さっそく口へ運ぶ。
「ほんっとミルクティー好きだよな、おまえ」
呆れたように笑いながら、奏斗は向かいの椅子に腰掛けた。
活動中、教室での座席配置はこうだ。
入り口側から、牡丹、あたし、黎緒先輩。
牡丹の向かい側が風音で、あたしの向かい側が奏斗。
黎緒先輩の向かい側は、机があるだけで空席。
ま、机上には手紙の山とかパソコンとか、いろいろ乗ってるから今さら使うのも困難だけど。