恋愛倶楽部 -love-



そうだよね。

あたしたちはもう終わったんだ。


今は……敵同士なんだ、って───。




悔しい。

すごく悔しい。


こんなことで傷ついてる自分が、すごく嫌だ。


どうして弱いの?

どうしてすぐ涙が出るの?




【ゆゆが泣くから】


奏斗に言われた通りになっちゃったね。

あたしの意地もここまで。



【泣くのは、ただの逃避だよ】

あんな態度とられたら、さすがのあたしだって逃避したくなる。

突っ走れないよ、黎緒先輩。



泣きたい時、泣いちゃダメ?

こんな人通りの多い場所で、泣いちゃダメなのかな?


しゃがみ込んで、膝に顔を埋める。

我慢して、けど無理で。


「泣きたい……っ」

「もう泣いてるじゃん」


零した本音に、誰かの声が返ってきた。



「あんたは、今ちゃんと泣けてるよ」

ゆっくり顔をあげると、目の前にはミルクティー。


「少なくとも、俺が見た限りではね」






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