恋愛倶楽部 -love-
そもそも、愛美ちゃんの件に関しても謎だらけだよね。
どうして愛美ちゃんを知ってたのか、とか。
「ねぇ、そういえばこれ返すね」
ケータイを取り出して、ストラップを揺らす。
存在をすっかり忘れてた。
「今戻されても面倒だから、あとで渡して」
面倒って、おい。
あとでにすると、本当に返すこと忘れそうなんですが。
「てかミルクティー、なんであたしが好きって知ってるの?」
歩くペースを合わせてくれないから、早歩きをして隣に並ぶ。
ついさっき、歩き出す時さり気なく渡されたミルクティー。
凪兎の目の前で軽く振ってみたりして。
「あ、好きだったんだ?」
渡してきたのは自分のくせに、意外そうな顔をするから
「ひょっとして、ただ選んだのがミルクティーだった…とか?」
たぶん、あたしがミルクティー好きだってことは知らなかったんだろう。
ミルクティーをあたしから奪うと、しばらくそれを眺めて薄ら笑い。
何かと思っていたら、こっちを向いて優しく笑った。
「これ買ったの俺じゃないしね」
「え?」
どういうこと?
それだけ言われて手元に戻されても困るんだけど。
果たして、飲んで大丈夫なものなのか。
「ゆずゆを見つけた時、自販機の前に置いてあったんだ。
誰かからのプレゼントじゃない?」