恋愛倶楽部 -love-
確かに、放課後一緒にいるから誤解を生んでも仕方ないよね。
けど、部内恋愛禁止だし。
「あのさ寿羅、牡丹のい───あぁいや、ごめん、うん」
牡丹の家に行かないのか、尋ねようとして誤魔化す。
今聞いたら、周りのヤツらが騒いで寿羅がキレかねない。
怪訝な顔をした寿羅の横で、また別の男子があたしの隣を指差した。
「蘭の………彼氏?」
指差された本人は、しばらく苦笑い。
「違うよ、ただの知り合い」
それから、きっぱり言い放つ。
ただの知り合いって……間違ってないけどさ。
友達じゃないんだ、あたしたち。
友達だと思ってたのは、あたしだけ?
「俺は凪兎、よろしく」
なんだか寂しい気分でいると、凪兎は手を差し出していて
「おう……」
笑いもせずに寿羅が求められた握手をしていた。
「お、三角関係か?」
「だから、うるせーよ!
いい加減ぶん殴るぞ」
いや寿羅、ぶん殴るって言っといて蹴りを入れるのはヒドいと思う。
案の定、友達は隙をつかれて痛そうに顔を歪めていた。
だいたい、あたしを取り巻く人たちを考えたら、ある意味三角関係じゃ済まない気がするし。