恋愛倶楽部 -love-



凪兎の腕を掴んで、寿羅たちと逆方向に足を向ける。

もう知らないんだから。


せっかく仲良しアピールしたのに、あんな言い方しなくたっていいじゃん。

そんなにあたしと仲良しでいるのが嫌なの?



「お昼、何か食べ行こ。
凪兎お腹すいたって言っ───」

「蘭」

「……なに」



背後から片腕を掴まれ呼び止められる。

口をびっしり閉じて、睨みつけるように振り返ると

「な.何でもねーよ、バカ!」


はぁ!?

なんで逆ギレされなきゃなんないわけ!?


「あっそ」

できるだけ冷たく言い捨てて、また歩を進めた。



意味わかんないし。

めっちゃムカつくし。

あたし、悪いことしたかな!?

あーもう、ほんっとイライラする。



「ゆずゆって割と短気なんだ?」

「そんなことないけど」


なんか凪兎と一緒にいるにも、いづらくなっちゃうじゃん。


本当は違うんだよ。

寿羅が時々口が悪くなったり、冷たくなる理由は理解してるつもりなの。


偶然会った一瞬で、ケンカがしたいわけじゃない。






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