恋愛倶楽部 -love-
不思議なことに、気づけば全員大集合。
まるで磁石だ。
あたしたちが玄関まで行くと、寿羅は相変わらず怒鳴ってて。
黎緒先輩が笑顔で対応している。
ちょうどさっき戻ったであろう奏斗は、怒鳴る寿羅に必死に何か話しかけていた。
何やってんだ、こいつら。
つい冷めた目で見てしまったことは秘密。
「賑やかでいいですね」
「うるさいから、ほっとこう」
こっちもこっちで発言に問題ありだな。
誰か止めようって考える人はいないの?
大きくため息をついた時、閉められていた玄関の戸がガラガラと音を立てた。
へ?……誰?
チャリンチャリンと鍵の束を指で回転させながら、鼻歌を歌って入ってくる。
外ハネした真っ黒な髪に、目にかかりそうな前髪。
指輪やらバングルやら、とりあえずたくさんの装飾品。
ピアスはつけてなさそうだけど。
見たところ男性。
しかも、意外とイケメン。
もちろん、黎緒先輩のが美形ですけどね。
靴を脱いでこっちへ向かって来る途中、玄関前に集まる3人をちらっと見ていた。
な.何者ですか!?