恋愛倶楽部 -love-
「ゆゆは前から黎緒先輩に憧れてるから、仕方ねーよ」
そう解説するのは、半ば呆れ気味に。
「ひょっとして奏斗さん、ゆずゆちゃんのこと好きなんですか?」
「あぁ、だから黎緒先輩が羨ましくて……っんなわけ、あるかー!」
マジな顔しての質問には、全否定の回答。
これまた、無駄に素晴らしいノリッコミ。
そんな大声で否定しなくったっていいのに。
まったく、失礼だな。
だいたい、倶楽部内恋愛は原則禁止だし質問する側にも問題が。
「……黎緒先輩、消えればいいのに」
はて、今のは空耳?
突如ボソッと聞こえてきた言葉に、一瞬悪寒が走った。
恐る恐る声の主だと思われる人物へ視線を流すと、いた。
悪魔化したヤツが、こちらを見て微笑んでいるではないか。
「どーしたの?ゆゆ」
そんな可愛い顔したってダメだよ。
「風音、さっき怖いこと言わなかった?」