恋愛倶楽部 -love-



「わーい、ありがとう!
ゆゆ大好きーっ」


あぁ良かった。

抱きつかれるのは困るんだけど。



「美味そー‥てか、こんなデカいの買うほど金持ちだったっけ?」

ほっとしたのも束の間、痛いところを突いてくるヤツが。


「お母さんからお小遣いが入ったからさ、あはははは……」

仲が良い分、1番大敵なのは奏斗かもしれない。



お小遣いをもらってたのは本当。

ちょっと足りなかったのは内緒。

足りなかった分は……凪兎が出してくれたわけで。


あとで返さなきゃ。

また会えるなんて保証、どこにもないけど。



「奏斗さん、今夜はお寿司を注文しましたから」

「マジで!?」


なんだかテンションの上がり方が、ハンパじゃないぞ。


みんな食べ物が出てくると、割と機嫌良くなるよね。

ようやくつけた、安堵のため息。






すっかり日が落ちて真っ暗になると、あたしたちはそれぞれ好きなものを口へ運んだ。


今日は牡丹のご両親は仕事で帰りが遅くなるんだそうで。

夕飯の準備なんかは牡丹のおばあ様が、テキパキとこなしてくれていた。


奏斗と寿羅の説得と、牡丹の説教と、黎緒先輩の脅迫。

そのおかげあって、なんとか無事に済んだ入浴。


全員があとは寝るだけの状況になった時、事件は起きたのである………。






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