恋愛倶楽部 -love-



そもそも、あたしに拒否権が与えられていないことが大問題なんだけど。

口論してたら、余計眠れなくなりそうだからあきらめた。



布団が敷き詰められている和室。

お泊まりって、普通は男女別々に寝ない?


なんて訴えても、今回の趣旨が“女の子の安全確保”だから無理がない。



どうせ、四六時中ずっと一緒にいなきゃ意味がないとか奏斗あたりが言い出すんだろう。


実際、違う意味で安全確保ができてないように思えてくるんだが。



ま、それは単なる自己の被害妄想ということで。




「あぁ残念、終わっちゃった」

そう言って、黎緒先輩は相変わらずの笑顔。

この人は、勝とうが負けようが特に気にしてないらしい。



対戦する輪から抜けて、苦笑いのあたしのほうにやってきた。



「蘭さんは誰指名?」

「牡丹」

「無理かもしれないね」


話して早々に落胆させるようなセリフを言わないでください。

確かに、牡丹の手札は残り2枚しかないけどさ。

ほら、奏斗なんか手札1枚だよ。


「うぉぉおおおっ………負けた」

たった今、あがっちゃったし。






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