恋愛倶楽部 -love-
この流れ、嫌な予感がする。
よくわからないけど、雰囲気が。
「牡丹先輩、譲ってくれるよねーっ?」
「譲りません」
「大人げないよ?」
「まだ子供です」
風音のが後輩なのにタメ口だし。
牡丹のが先輩なのに敬語だし。
不思議すぎる組み合わせだ。
よりによって残ってるのが、この2人とは。
牡丹、がんばれ。
女子同士で寝ましょ。
そして幸せな夢を見ましょ。
ぐっすり眠りましょ。
「わーい、勝ったぁ。
ゆゆ見て、ババ持ってるよ」
………願い叶わず。
知らぬ間に合掌していた手が、ゆっくりと膝の上へ降りていく。
なんとなく、こうなる気はしてたんだ。
「ど.どうしてっ、私としたことが」
両手を床につき、崩れ落ちていく牡丹。
宙に手を伸ばす姿は、まるでお伽話のお姫様。
満面の笑みを浮かべて、ジョーカーを見せてくる風音をあしらい牡丹に向き合った。
「ドンマイ」
肩に手を置いて、下手な慰めの言葉を贈る。
さぁ問題はここから。
どうしようか。
「今夜はボクだけに、独占させてね?」
風音の笑顔が……怖い。