恋愛倶楽部 -love-



ドンマイ、あたし。

がんばれ自分。


みんなの視線が痛いほど向けられる。

隣では、颯爽と布団に潜り込む風音が。

どうやら準備万端らしい。


「ほら早くっ、一緒に寝よ?」


もう寝るんかい。

いや早く寝たいけども。


掛け布団を持ち上げて、入って来いとばかりに袖を引っ張られる。

あたしはいったい、どうすれば?



「仕方ありませんね。
勝者は風音さんですし、私は寂しく独りで寝ます」

ちょっとちょっと、なんで暗い感じになってんの?



「オレはまだ起きてるぜー。
風音が変なことしないか見張っとかねぇとな」

「見守ってるから、蘭さんは遠慮せず眠ってていいよ」


見張りとか、見守ってるとか、逆に眠りづらいんですけど。



全力で2人を睨みつけてから、躊躇いつつも布団に入る。


と、すぐ近くに満足げな表情をした風音がいた。

あたし、寝れる自信なくなってきたぞ。



最後の助けだと思い寿羅を見れば、予想外にも目が合ってしまう。


「うっせーんだよ。
さっさと寝ちまえ」


え?うるさい?

何も言ってませんけど?


寿羅ってば、まだ不機嫌だったのね。

てっきり夕飯食べて機嫌直したのかと思ってたのに。



そんなわけで、いろんな意味で全員から見放された深夜。

もちろん隣には風音。

面倒なことになる前に寝てしまおうと、必死に目を閉じ続けた。






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