恋愛倶楽部 -love-
羊が1匹…羊が2匹…羊が3匹……羊が…………
「眠れるわけないじゃん」
どうやっても無理だ。
なぜ、眠気が吹っ飛ぶ?
数なんか数えて頭使ってるから?
隣に誰かが寝てるから?
「ゆゆ……」
名前を呼ばれて寝返りをうつと、目を閉じた風音があたしの手に重なった。
「…おやす…み……」
口元をかすかに動かして、また静かに寝息を立てる。
悔しいけど、寝顔がまるで天使だ。
「おやすみ、風音」
いつもおとなしければ、可愛いのにな。
そういえば、風音は熟睡みたいだけど他のみんなは?
あたしが必死に眠ろうとしている間に、すっかり話し声がなくなってる。
気になって上半身を起こすと、壁に寄りかかって座っている寿羅が視界に入った。
目を閉じて、音楽を聞いているらしい。
その少し横では、黎緒先輩が寿羅同様壁にもたれたまま目を閉じていて。
ひょっとして眠ってる?
黎緒先輩の肩に寄りかかって、奏斗が寝息を立てていた。
あの2人、あんなに仲良しだったっけ?
唯一、布団に入っていたのは牡丹。
みんな、けっこう自由だな。