恋愛倶楽部 -love-
言ったよね?
笑って誤魔化してるけど、絶対言ったでしょ。
「だって、ゆゆはボクのだもん」
満足そうに宣言されて。
「あたし、風音のになったつもりないんだけどなー‥」
複雑な心境。
「ゆゆを傷つける人たちは、ボクがみーんな退治してあげるよ」
うん、やっぱり複雑な心境。
風音は前からこうだ。
可愛い顔して、時々怖いことをさらっと言う。
それでも、なぜか許せちゃうのがすごいところで。
いわゆる、あたしたちの中で、マスコットキャラ的な存在なのだ。
「ゆゆのことは、ボクだけが守るの」
小さな子どもが何かをやり遂げて、自慢気に親に話してる時みたいに。
「だから最初はね、邪魔者の奏斗を退治しちゃうからね」
純粋……ではないけど、とにかく満開の笑顔で喋ってくる。
そうだね、風音。
まずは邪魔者を排除しないとね。
あたしは意見に賛成して、数回頷いてみせる。
「誰が邪魔者だっつーの!
てか、そこ否定しようぜ、ゆゆ」