恋愛倶楽部 -love-



言ったよね?

笑って誤魔化してるけど、絶対言ったでしょ。



「だって、ゆゆはボクのだもん」

満足そうに宣言されて。



「あたし、風音のになったつもりないんだけどなー‥」

複雑な心境。



「ゆゆを傷つける人たちは、ボクがみーんな退治してあげるよ」


うん、やっぱり複雑な心境。



風音は前からこうだ。

可愛い顔して、時々怖いことをさらっと言う。


それでも、なぜか許せちゃうのがすごいところで。

いわゆる、あたしたちの中で、マスコットキャラ的な存在なのだ。



「ゆゆのことは、ボクだけが守るの」


小さな子どもが何かをやり遂げて、自慢気に親に話してる時みたいに。


「だから最初はね、邪魔者の奏斗を退治しちゃうからね」


純粋……ではないけど、とにかく満開の笑顔で喋ってくる。


そうだね、風音。

まずは邪魔者を排除しないとね。


あたしは意見に賛成して、数回頷いてみせる。



「誰が邪魔者だっつーの!
てか、そこ否定しようぜ、ゆゆ」






< 23 / 432 >

この作品をシェア

pagetop