恋愛倶楽部 -love-



それは………


【好きになんないでよ】


蘇ってくる、今日言われた忠告。

どういう意味なんだろう。



首を左右にブンブン振って、再びまっすぐ前進。

ダメダメ、深く考えないようにしよう。



「それとこれとは話が別!」

好きになるわけない。

好きじゃない。


だって、あたしは

「好きなんて思ってないもん!」


凪兎のこと、何も知らない。



「意味わかんねー。
なにムキになってんだ」

ドサッと布団に倒れ込んだ寿羅が、横目にこっちを見る。


ムキになんて、なってないもん。

ただちょっと、戸惑って。


好きになるのが、どういうことなのか。

忘れちゃったの。

わからないの。


亜蓮と別れてから恋ができなくなっていた。

傷つくことに、臆病になっていた。


弱虫な自分。

大嫌い。



「そーいや、昼間一緒にいたヤツは?
他校だろ、あいつ」


……寿羅、あんたって人は。

今度こそ、全身が固まった。



自分でもよくわからないけど、なぜか触れてほしくなくて。






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