恋愛倶楽部 -love-



現に今、あたしの心境がグチャグチャだ。

あんな冷たくしてさ。

なのに、ミルクティー……置いてくなんてズルい。



別の場所で、楽しくやってるなら別に気にしない。

関係ないもん、今は。

気にしたって、仕方ない。



「お話、されたんですか?」

躊躇いがちな質問。

気を遣わせちゃってるのかな。


なんだか謝罪したい気分。

過去絡みで気を遣わせちゃうなんて。



「話してないよ」

「では、いずれは闇紫苑のところへ行くのですね、こちらから」



……また、あいつに会う。



そっか、そうだよね。

伝えなきゃいけないんだった。

紅珠沙のこと。


今日呼び止めて言えば良かったな。

偶然の再会に驚くばかりで、大事なこと忘れてた。



あたしは、会いたいから会いに行くんじゃない。

伝えなきゃいけないから、会いに行くんだ。



「牡丹は、止めないんだね」

力なく笑ってみせると、優しい笑顔を返してくれる。


「私は、いつだってあなたの味方です」

それは、月明かりに照らされて普段以上に綺麗な笑顔。


あたしには、もったいないくらい。






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