恋愛倶楽部 -love-



「ありがとう」


良かった。

言えた言葉が、ごめんなさいじゃなくて。


味方って、いいね。

いてくれるってだけで、心が軽くなる気がする。



「よくわかんねーな、てめーらの会話」

「寿羅には一生わかんないよ」

「うっせー黙れ」



たまにはケンカするけど、嫌いじゃないから。



「黙れって、ヒドいっ!」


本当は優しいこと知ってるから。


「夜中にギャーギャー騒ぐんじゃねーよ。
これだから女は───」

「はぁ?
男女関係ないでしょーが。
だいたい、うるさいって思うなら外で寝ろ」

「あのー‥野宿は良くないと思います。
熊が出たら大変ですし」

「「出ねーよ!」」



けっこう気が合うみたいだし?

なんだかんだ言って、こいつも気を遣ってくれてるんだよね。


「ま、万が一熊が出たら守ってやるけど」

「あ、寿羅がデレた」

「デレてねーよ!
さっさと寝ちまえバーカ」


愛のある言い争いもできたわけだし、たぶん。

仲間がいるあたしって、かなり幸せ者かも。



ね、凪兎?

仲間って、いいね。

あたしがキミと仲間になれないのは、どうしてなんだろう。






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