恋愛倶楽部 -love-
そうして、にっこり笑顔。
笑顔振りまくなら助けてくれ。
というのが本音だけど叶いそうな気配は微塵もない。
あぁそうですか。
では遠慮なく着させていただきま───
「ボクが着せてあげるーっ!」
どこからか、問題大あり発言。
いや無理だろ。
てかダメだろ少年。
「えぇー風音ずりぃよ。
だったらこの奏斗様が───うおぉぉおおっ」
ドタバタと騒々しいったら。
こっちに来ようとした奏斗は、何かにつまずいて華麗に転倒。
ありゃ鼻ぶったかな?
「大丈夫ですか!?」
そこに慌てて駆け寄る天使。
だが、倒れた当人はびくともしない。
気絶してる?
「まままま.まさかっ」
不幸を悟ったかのように、口に手を当てて牡丹は目を見開いた。
なんか、すんごく面倒な展開になってる気がする。
「残念だけど、死んだね」
いやいやいや、まだ死んでないでしょ。
真顔で言う黎緒先輩の冗談が、妙に真実っぽくて脳内混乱。
転んだだけで命失うなんて、どんだけ軟弱なのよ。