恋愛倶楽部 -love-



「やったぁ、邪魔者消滅ー」

人の不幸を喜ぶ風音もどうかしてるけど。

ま、その性格は今に始まったことじゃない。



とりあえず、奏斗の墓をつくってやらないとな。


どんなのがいいかな。

あいつ、根は真面目なヤツだったし……墓くらい立派にしてやらないと。




「勝手に…殺すな……」


凝視していたら、プルプルと震えながら動き出した片手。

なんだ、気絶してなかったの?



「残念だけど、生きてるね」


に、しても黎緒先輩…?

さっきと言ってることが逆だよね?



どちらにせよ残念な気持ちになるのね、あなたは。



「残念ってなんだよ!?
つか寿羅、いい加減起きろっての」

鼻をさすりつつ、寿羅がくるまっている布団を巻き上げる。


これまた割と強引。


奏斗が死にかけた原因は、眠っていた寿羅に足を引っかけたかららしい。

まったくドジだなぁ。



「いつまで寝てる気だ、この、さっさと、起き、ろ!」

力任せに布団を引っ張るのは、いいけどさ。


「んだよ、うっせーな!」

反発してガバッと起き上がった寿羅が、瞬時に必殺パンチを繰り出す。



…が、それは宙を斬っただけ。






< 237 / 432 >

この作品をシェア

pagetop