恋愛倶楽部 -love-
「やったぁ、邪魔者消滅ー」
人の不幸を喜ぶ風音もどうかしてるけど。
ま、その性格は今に始まったことじゃない。
とりあえず、奏斗の墓をつくってやらないとな。
どんなのがいいかな。
あいつ、根は真面目なヤツだったし……墓くらい立派にしてやらないと。
「勝手に…殺すな……」
凝視していたら、プルプルと震えながら動き出した片手。
なんだ、気絶してなかったの?
「残念だけど、生きてるね」
に、しても黎緒先輩…?
さっきと言ってることが逆だよね?
どちらにせよ残念な気持ちになるのね、あなたは。
「残念ってなんだよ!?
つか寿羅、いい加減起きろっての」
鼻をさすりつつ、寿羅がくるまっている布団を巻き上げる。
これまた割と強引。
奏斗が死にかけた原因は、眠っていた寿羅に足を引っかけたかららしい。
まったくドジだなぁ。
「いつまで寝てる気だ、この、さっさと、起き、ろ!」
力任せに布団を引っ張るのは、いいけどさ。
「んだよ、うっせーな!」
反発してガバッと起き上がった寿羅が、瞬時に必殺パンチを繰り出す。
…が、それは宙を斬っただけ。