恋愛倶楽部 -love-
「うおっ、危ねぇ」
奏斗にしては上出来すぎる除け方だ。
てっきり、あのまま顔面にパンチをくらうものかと。
ある意味、期待はずれ。
2人でケンカになるのか、ちょっと不安になったけど大丈夫みたい。
寿羅のケータイが光って、着信を告げていたおかげで。
「すみません、では私は行ってきますね」
一方慌ただしく荷物を持って、部屋を出る準備をしている。
牡丹は今日、弓道部に顔を出すらしい。
大会がもうすぐなんだって。
「夕方には戻ります」
家の主が外出ってのも、どこか間違ってる気がするんだけど。
「行ってらっしゃい」
ま、いっか。
そんなわけで、あたしは牡丹宅で留守番。
特にすることもないし。
たぶん、みんなもいるだろうし。
「俺も出かけてくる」
「え、寿羅も?」
素早く電話を済ませたらしい。
ケータイを閉じて布団に投げると、立ち上がったまま服に手をかける。
………へ?
「ちょっ!
待って、着替えないで、あたし女子」
自分で自分を指差して注意。
何の前触れもなく、いきなり脱ぐな。