恋愛倶楽部 -love-



きっと邪魔だなんて言ったら、機嫌損ねるだろうから言わない。

けど本当に邪魔。


片手はあたしを離さず、もう一方の手を枕元に置かれた洋服へと伸ばす。



「ね、ね、見て!」

はしゃいで洋服を突きつけてくるけど。

ため息を零しながら、それを受け取った瞬間


「おっ、可愛いじゃーん。
さすが牡丹ママ」

「でしょでしょっ」


奏斗と風音が、さらに騒ぎ出す。



手渡されたのは、真っ白なワンピース。

胸元には大きめなリボン。

ちょこっとフリルのついた女の子らしい雰囲気の。



これを誰に着ろと?

え、あたし?

何言ってんの、無理でしょ。



「じゃあ、お着替えしようね」

強引にも、風音に服を脱がされかけて慌てて押し返す。


マズいでしょ、この状況。

回避する方法…方法…方法………。



「と.とりあえずっ、着替えるから出てって!」

これしか思いつきませんでした。



「もし覗いたらセクハラで訴えるからね」

無理矢理みんなを部屋から追い出す形で、勢いよく閉ざした襖。


牡丹、助けて……。






< 240 / 432 >

この作品をシェア

pagetop