恋愛倶楽部 -love-
きっと邪魔だなんて言ったら、機嫌損ねるだろうから言わない。
けど本当に邪魔。
片手はあたしを離さず、もう一方の手を枕元に置かれた洋服へと伸ばす。
「ね、ね、見て!」
はしゃいで洋服を突きつけてくるけど。
ため息を零しながら、それを受け取った瞬間
「おっ、可愛いじゃーん。
さすが牡丹ママ」
「でしょでしょっ」
奏斗と風音が、さらに騒ぎ出す。
手渡されたのは、真っ白なワンピース。
胸元には大きめなリボン。
ちょこっとフリルのついた女の子らしい雰囲気の。
これを誰に着ろと?
え、あたし?
何言ってんの、無理でしょ。
「じゃあ、お着替えしようね」
強引にも、風音に服を脱がされかけて慌てて押し返す。
マズいでしょ、この状況。
回避する方法…方法…方法………。
「と.とりあえずっ、着替えるから出てって!」
これしか思いつきませんでした。
「もし覗いたらセクハラで訴えるからね」
無理矢理みんなを部屋から追い出す形で、勢いよく閉ざした襖。
牡丹、助けて……。