恋愛倶楽部 -love-
ほっと胸をなで下ろして、部屋へ踏み込む。
畳まなくていいのかな、布団。
部屋の真ん中あたりまで歩いてきて、どうしようかと迷って。
誰もいないなら、ここにいても仕方ない。
かと言って、牡丹に無言で帰るわけにもいかないよね。
服は早急な洗濯で、なんとか汚れが目立たなくなったけど。
事情話して謝ろう。
って、あーもう!
また謝ることしか考えてないよ、あたし。
頭を抱えて1人嘆いていると、どこからかごそごそと音が。
びっくりして音のするほうを向くと、布団から髪の毛が飛び出てる。
どうやら気づかなかっただけで、無人ではなかったらしい。
しゃがんで両手をついて、のそのそ近寄っていく。
布団に手をかけて、そっと捲れば目を閉じてる黎緒先輩がいた。
よりによってこの人……けど、今は有り難いのかも。
奏斗とか風音よりは、会話しやすいし。
ってか、眠ってるの?
他のみんなは?
もう帰っちゃった、とかじゃないよね?
牡丹と寿羅は用事があって。
奏斗と風音は……?
「誰?」
首を傾げ始めた頃、いきなり問いかけられて思わず震えた身体。
「おおおおお.起きてたんですか!?」
無意識に悲鳴じみた声をあげてしまった。