恋愛倶楽部 -love-



「好きとか、そんな感情じゃ……」

「ふーん」


相変わらず意味ありげな笑みに戸惑うばかり。

黎緒先輩の言いたいことが、わからない。



夜の話を聞かれてたってことは、凪兎と会っていたことも亜蓮に会ったことも


「まだ好きなら、伝えれば?
もうすぐ、ちゃんと会わせてあげられるかもしれない」


全部知ってるんだよね。



「亜蓮は、蘭さんが嫌いで別れたんじゃないよ」


奏斗と一緒。

どうして今さら、あいつの話をするの?

あたしにどうしろっていうの?



「今は話さないでおくよ。
気になるなら、本人か亜蓮のそばにいる人から聞きな」

「何が、言いたいの?」


全然、わかんないよ。

なにそれ。

絡んだ視線に、中途半端に口を開きかけたまま固まるあたし。

対して、黎緒先輩の瞳から光が消えた。



「そういえば、着替えたんだね。
似合ってたのに」

笑顔が……怖い。


「ま、今も可愛いんじゃない?
どうせだから、共寝でもしようか」

「え……ひゃっ」


すかさず腕を引っ張られて、抱き寄せられる。


「やめっ…」


押し返して抵抗するのに、力で負けちゃって。

耳元をかすめる吐息に、頬が熱を持つのを感じた。


「いい匂いするね。
髪洗ったの?」






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