恋愛倶楽部 -love-



通り過ぎた後に残る、甘い香り。

牡丹の香水、かな?



奏斗と同時に匂いに誘われ牡丹のほうを向くと、お客様に微笑みかけている。

出た、本日初の天使の微笑み。




「あ、はい。
1年の、コナカっていいます。
木に仲間の仲で、木仲です」


やっと話が本題に戻り、注目すべきはニコッと笑った木仲さん。



1年かぁ。

「風音、知り合いだったりする?」

ひょっとしたら、同じクラスとか。



「ボク、女の子はゆゆしか興味ないよ」


そんな笑顔で言われましても。

聞いたあたしが、バカでした。




「で、お嬢さん、なにかお悩みでも?」


声色を変えて手を差し伸べる奏斗にイラッときて、すかさず1発お見舞いする。




「あはは、気にしないでね」

笑って誤魔化すものの、木仲さんは苦笑い。



あたしの印象悪くなっちゃったじゃん。

奏斗のせいだ。



「あの、ですね。
ここにくれば恋愛相談に乗ってくれるって友達に進められて」


苦笑いを多少続けながらも、経緯を話す彼女。






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