恋愛倶楽部 -love-
優しい笑みで、優しい口調で、導いてくれるけどさ。
「え、どこに?」
「今日は──いえ、今日も私の家でお泊まりです」
はい?
あの、ちょっ…!
「牡丹、待って。
何それ、聞いてない」
「待てません、聞かせていません」
「うん、だから待とう、ね!?」
「いいえ待てません、さぁ乗ってください」
急すぎる展開。
いや、さっきから少しは気になっていたんだ。
どうして寿羅が助けに来てくれたのか、とか。
どうして牡丹がここにいるのか、とか。
近くにある車のドアを開けて、無理矢理にあたしと寿羅を乗せる。
やってることが強引すぎて、全然状況把握できないんだけど。
走り出した車からは、もう降りるわけにもいかず。
「どういうことなの、ねぇ!
牡丹、寿羅、」
助手席にいる牡丹は、騒ぎ立てるあたしを完璧に無視してる。
隣に座った寿羅は、窓の外へ顔を向けていて。
「寿羅、どういうこと?」
答えてほしくて、相手の腕を両手で掴む。
「触んな」
嫌そうに振り払われて、思わず膨らました頬。
そんな様子を見ていた牡丹が、ようやく説明をしてくれた。
「昨日ゆずゆちゃんが帰った時、心配だからと寿羅さんが後をつけていたらしいんです」
「んなっ、バカ、それじゃストーカーだろーが。
たまたま、方向が一緒だっただけだ」