恋愛倶楽部 -love-
なんだか嬉しくて、幸せな気持ちでいっぱいになる。
そんなあたしを見て、相変わらず寿羅は気持ち悪いだの何だのと言ってくるわけだけど。
気にしないから!
これからは、気にしないことにする。
そうすりゃ、あたしは傷つかないしケンカにもならない。
「そういえば、梨城先輩も来てなかったようなんですけれど」
次の瞬間、牡丹が口にした名前に全身が強張った。
「ゆずゆちゃん、何か知りませんか?」
何かって………。
見て取れるように、必死に誤魔化し笑いを浮かべる。
知ってるには知ってるけど、話すべきなの?
でも、もしここで黎緒先輩が裏切ったって言ったら?
まだ信じられないし、信じたくもない。
自信を持てるほどの確証がないのに、話せないよ。
「風邪、じゃないかな?
珍しいね、黎緒先輩が休みとか」
だから、今は笑うしかない。
無理してでも、笑顔をつくるしかできない。
「そうですよね、本当珍しいです」
それ以上聞かないで、頷いてくれた牡丹に感謝しよう。
もの言いたげな寿羅が、この場で口を噤んでくれたことにも感謝しておこうと思う。