恋愛倶楽部 -love-
だが、儚くもすぐに消滅。
ゴツンという鈍い音と一緒に、奏斗があたしから引き離されていった。
「てめー、なんでいやがる。
つーか今授業中だろーが、サボりか?」
眉間にシワを寄せた寿羅の、納得いかないような顔。
「ふふん、まぁな。
てか、サボりは一緒じゃね?」
対して、奏斗は前髪を縛り直しながら返答。
「ゆゆのせいで、オレのチャームポイントがぁぁあああ……」
あーはいはい、ごめんごめん。
にしても、チャームポイント、前髪ってどうよ?
周りの人間は、奏斗のチャームポイントが八重歯だと思ってると思うよ。
「では……気を取り直して、第2回お泊まり会を始めます」
勝手に牡丹は進行しちゃうしさぁ。
何その第2回お泊まり会って。
「みんなで、ゆずゆちゃんを護りましょう」
「マジ何それ、聞いてないんだけど」
「安心してください。
絆を再び深めましょうという会です」
だったら尚更、心配しか出てこない。
お泊まり会って……あたしたち、そんなに仲良かったっけ?
そりゃ仲間だけどさ。
同じ部活の同じ黒蓮華のメンバーだけどさ。
お泊まり会って………。
「本当は全員揃えば良かったんですが」
呟くような牡丹の声に、出かけた反発を無理矢理呑み込んだ。