恋愛倶楽部 -love-
幸せのため息を零した時、なぜだろう。
あれ、今、幸せを消すくらい不幸せオーラを感じたような。
「うおぉぉおおおおっ!
出たっ、お化け出た!」
「てめっ、くっつくんじゃねーよ、気持ち悪ぃ」
奏斗の大袈裟すぎる悲鳴。
何かに怯えているようで、寿羅にしがみついている。
「どうしまし…た…か……?」
事態に気づいた牡丹が、大量のタオルを持って駆けつければ、
「っ!来ていたんですか?」
びっくりしたように息を呑む。
みんなの視線は庭に向けられている。
植えられた植物が、ガサゴソと動いているのがわかった。
何かいるの?
「マジやめて、ごめん、すみません、マジすみません、お化けとか間に合ってるからいらねぇよぉぉおおお」
完全に奏斗が破壊してるのは、うん、気のせいだよな?
「こちらへ来たらどうですか?」
状況を瞬時に把握したらしい。
牡丹が影に呼びかけると、またも音を立てて植物が動く。
そこから、のっそりと現れたのは………
「奏斗……殺す」
とてつもなく黒いオーラを身にまとった風音の姿。
瞳にほとんど光がない、俗に言うクロネというヤツで。
「はあっ!?
なんでオレ、ってか待て待て待て落ち着け風音!」