恋愛倶楽部 -love-



幸せのため息を零した時、なぜだろう。

あれ、今、幸せを消すくらい不幸せオーラを感じたような。



「うおぉぉおおおおっ!
出たっ、お化け出た!」

「てめっ、くっつくんじゃねーよ、気持ち悪ぃ」


奏斗の大袈裟すぎる悲鳴。

何かに怯えているようで、寿羅にしがみついている。


「どうしまし…た…か……?」

事態に気づいた牡丹が、大量のタオルを持って駆けつければ、

「っ!来ていたんですか?」

びっくりしたように息を呑む。



みんなの視線は庭に向けられている。

植えられた植物が、ガサゴソと動いているのがわかった。


何かいるの?


「マジやめて、ごめん、すみません、マジすみません、お化けとか間に合ってるからいらねぇよぉぉおおお」


完全に奏斗が破壊してるのは、うん、気のせいだよな?



「こちらへ来たらどうですか?」

状況を瞬時に把握したらしい。


牡丹が影に呼びかけると、またも音を立てて植物が動く。

そこから、のっそりと現れたのは………



「奏斗……殺す」



とてつもなく黒いオーラを身にまとった風音の姿。

瞳にほとんど光がない、俗に言うクロネというヤツで。



「はあっ!?
なんでオレ、ってか待て待て待て落ち着け風音!」






< 327 / 432 >

この作品をシェア

pagetop