恋愛倶楽部 -love-



なんで、風音がここに?

奏斗への猛烈な殺意の動機はいったい?


疑問が一気に浮かび上がる脳内。

とりあえず、奏斗だけが危険ということだけはわかる。



「ボクがいない間に、ゆゆを独り占めするなんて」

「いや、してねぇし。
オレ以外にもいるし人」

「………許さない」

「いやーだからな、あのな、」

「………今すぐ、息止めてあげるね」



にっこり笑って距離をじわじわと埋める風音。

これは、止めに入るべきなんだよね?

入っていいんだよね?


自問自答を繰り返しながら、急いで風音の元へと走る………が。



「邪魔だよ、ゆゆは来ないで!」



怒鳴りつけられて、反射的にかけた急ブレーキ。


「ねぇゆゆ、ボク言ったよね?
ゆゆのこと、キライだって」

どこから湧き出ているんだろう、この計り知れない威圧感は。



「奏斗、勝負だよ」

そうして、口に出すと同時だった。

風音が仕掛けたのがきっかけで、2人のケンカが始まったのだ。


最初は拒否していた奏斗も、避けきれずに攻撃に移行して。



「ケンカするほど仲が良いって本当なんですね」


おいそこの傍観者、呑気に傍観してる場合じゃないってば。






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