恋愛倶楽部 -love-
そんなはっきり、しかも何度も言わなくていいのに。
わかったから。
あたしのこと、嫌いになったの知ってるから。
自分のことしか見えてなくて、風音のことまで考えてあげられなかった。
ごめんね。
あたしが悪いんだよね。
でも、さすがにへこむかも。
上手く笑えないでいると、伸びてくる手。
「風音?」
その手は、優しくあたしの頬を包む。
今、この瞬間、ひょっとしたら初めて見たんじゃないかな。
こんなに、風音の瞳が優しいの。
「なーんてね」
瞳は優しく、口元は悪戯に。
「嘘だよ」
舌をペロッと出して、次の瞬間
「ゆゆ、だーいすきっ!」
「きゃっ」
頬に触れていた手が首に回り、そのまま真下に抱き寄せられた。
ぎゅっと入れられる力。
逃げようとしても、全然適わない。
「風音っ、離れて」
「えー、どうしよっかなぁ」
「どうしよっかなじゃないから」
全力で、脱出を試みる。
「もうっ、仕方ないなー。
ゆゆ、ワガママはダメなんだよ?」
ぶっちゃけ、あなたに言われたくないんだが。