恋愛倶楽部 -love-



「仲直りできましたね。
では、そろそろ家の中に入りましょう」

牡丹、切り替え早すぎだし。


あたしの首に回した力を緩めてから、起き上がる風音と一緒に立ち上がる。


普段なら、もっとしつこい気がするけど……素直に離れた風音に抱く不自然さ。

あたしの気にしすぎ、かな?



「うわっ、背中汚いよ」

それから、笑顔で牡丹のほうへ歩き出したのを見て思わず呼び止めて。


「えー、そうなの?」

呑気に対応する風音に近寄る。


水遊びしたから、まだ湿ってた土がシャツについちゃったんだ。

寝っ転がったんなら、汚れるのも自業自得なわけだけど。


背中を見ようとして、その場でくるくる回る様子が何とも言い難い。

子犬か、おまえは。



「ちょっと、そこで止まって」

腕を掴んで止まらせて、背中の土を払う。

が、これがなかなか落ちてくれない。



「風音さん、今服を持ってくるので着替えたほうがいいですよ。
すぐ洗えば汚れも落ちると思います」


困っていると、気を利かせてくれた牡丹がすぐさま駆けつけてくれた。


「どうせですから、シャワー使ってください。
さぁ、行きましょう」

それから風音を引っ張って、奏斗のことも手招きする。






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