恋愛倶楽部 -love-



「あ、寿羅いたの?」

すっかり存在忘れてたけど。

ヤバい、気配消すの上手すぎだろこいつ。

というか、存在感がないのかも。



「ぶん殴るぞ」

「鈍いって何のこと?」

「……スルーしてんじゃねーよ」


なんだかよくわからないけどさ。

人の顔見ながら、ため息つくのやめてくれないかな?



「ったく、これだから女は───」

「わーわーわー!」

「うるせーよ」


だって、腹立つじゃん?


「性別とか関係ないと思いまーす」


寿羅って、何かと言い訳するよね。

言い訳ばっかりしてると、何にもできない人間になっちゃうんだよ。


「てめーと関わり持った俺がバカだった」

「うわっ、失礼……って、ちょっと待ってよ」


話しかけてきたのはそっちのくせに。

手で追い払う仕草をして、牡丹を追いかけて行ってしまう。


中断するなら、最初から話しかけんなっつの。

曖昧にされたまま強制終了された、こっちの身にもなってみろ。




文句の独り言を呟きながら、泣く泣くみんなを追いかける。

立て続けに起こる口喧嘩が収まったのは、以前のように布団が並んでからだった。






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