恋愛倶楽部 -love-



生まれてくる罪悪感。

だから、そろそろ部屋に戻ろうと思ったのに。


「だけどね、大好きだからって独り占めしようとするのはダメなんだって」


落ち込んだ声で話す風音に、思わずまた立ち止まる。

あたしにとって風音は、仲間で。

弟みたいな存在だから、こういう声の時は泣くのを我慢してるんだって知ってるよ。



「大好きなら、ゆゆの気持ちを考えてあげるのが大事なんだって」


風音………。


「大好きなら、ゆゆの恋を応援してあげるのも必要なんだって」


耳に入ってくる言葉は、どれも予想外なものばかり。

風音は、ちゃんと考えてくれてたんだ。



だから、すぐに離れたの?

だから、遠くの布団を選んだの?


ワガママを言わなかったのは、あたしを想ってくれてたからなの?


胸がぎゅっと締めつけられる。

今日感じた違和感は、風音の優しさだったんだね。


すぐに気づいてあげられなくて、ごめんね。




「………って、黎緒先輩が言ってた」


………へ?


「てめー、あんな何考えてるかわかんねーヤツの言葉に悩んでたのか!?」

「だって、ゆゆが寿羅に抱きついてたの見た後に、黎緒先輩と会って話したら言ってたんだもん!」

「はぁ!?
蘭があん時泣いてたのは梨城が原因だぞ。
詳しくは知らねーが」

「えっ、なにそれなにそれ!
ボク聞いてない、寿羅説明してっ!」






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