恋愛倶楽部 -love-
ねぇ、亜蓮。
今日は、すがりつくために来たんじゃない。
刻印のことなんて、別に関係ないんだよ。
いくら考えたって、やっぱりあたしは亜蓮と敵同士だなんて思えない。
大好きだったし、きっとこの先もずっと大好きだと思う。
けど何か違う。
あたしが大好きなのは、今の亜蓮じゃない。
あなたとの思い出だけが、今もずっと好きなんだ。
このままじゃ、前に進めないよね?
だからね今日は、あなたへの断ち切れない想いを、終わらせるために来たの。
「バイバイ」
それだけ、どうしても伝えたかった。
本当は、友達に戻りたいって言いたいけど。
「あと、聞きたいことがあるの」
友達に戻ったら、曖昧な関係になりそうで怖かったから。
「凪兎は、亜蓮の仲間なの?」
変わりに、確認したい事実を口にする。
何も答えずにベッドに座り直して、あたしを見て。
あたしも、まっすぐ送り返す視線。
先に目を逸らして、テーブルに置かれたタバコとライターを取りながら亜蓮は答えた。
「凪兎をおまえに近づけたのは、俺だ」
その答えは、すぐに内容が理解できなくて。
だけど紛れもなく、凪兎は俺の仲間だ、そう言われている気がした。