恋愛倶楽部 -love-
刻印を焼けば、あたしたちは敵じゃなくなる。
そうすれば、凪兎は前みたいに優しくしてくれる?
「いい加減にしろ、ゆずゆ!!」
あきらめないあたしに、これまで以上に凪兎が声を荒げた。
怒鳴られるのと一緒に、そのままベッドに押し倒されて。
名前を呼ばれたことと、前にもあったこの状況に喋れなくなる。
ずっと、仲良しでいたいだけなのに。
前みたいに戻りたいだけなのに。
この願いは、そんなに贅沢かな?
反抗したくても、抑えられない嗚咽が邪魔をする。
本当に伝えたい気持ちは一言。
けど、それを言うのがとてつもなく怖い。
「泣くなよ……」
あたしの横で、顔をベッドにうずめる凪兎。
か細い声が、耳元から聞こえる。
「もっと、自分を大事にしろよ」
腕を伸ばせば、上にいる凪兎を引き寄せて抱きしめられる。
それができたら、どんなに楽だろう。
「…俺だって………っ」
そこまで言うと、辺りを包んだ静寂。
お互いの殺した泣き声が響いた。
ねぇ、凪兎?
どうして泣いてるの?