恋愛倶楽部 -love-
あたしと敵同士だってことを、知っていたキミは
【俺なら……もう会わないよ、たぶん】
この結末を予期していた……?
でも、それじゃあ自意識過剰か。
凪兎にとってのあたしは、期限つきの友達で。
もっと言えば、そこら辺にいる知り合いと変わらない。
それくらいの存在。
静かに開くドア。
部室に入ったなら、同様に静かにドアを閉める。
まず視界に入った風音の席。
椅子に座っているのは、どこかで見たことのある、ぬいぐるみの巨大バージョン。
えっと、名前は…うさぴょんだったっけ。
本来その椅子に座るはずの本人は、定位置のソファーで目を閉じていた。
「そんなとこで寝てたら風邪引くよ」
肩を軽く揺すると、うっすらと開く瞳。
だけどまた、すぐに目を瞑ってしまう。
「風音、あたしを探してたんじゃないのー?」
声をかけても、視界に入るのはスヤスヤと気持ちよさそうに眠る姿。
ダメだ、こりゃ。
ほっぺを突っついても、起きる気配がまったくない。
今度はほっぺをつねってみても、唸るだけで目は開かない。
なかなか、しぶといな。
あきらめてその場を離れようとした時、不意に風音の手が腕を掴んで呼び止めた。