恋愛倶楽部 -love-
「起きてるの?」
しゃがみ込んで、同じ高さにした目線。
質問に答える代わりに、目を開けて口角をあげる。
なんだ、完全に起きてるじゃん。
じゃあ、さっきまでの寝たふりは嫌がらせ?
ペロッと舌を出した相手を、じっと睨みつけてやる。
騙したのね。
「はぁー‥。
あのね風音、嘘つきは良くないんだ──って、うわっ、ちょっ」
これからお説教、そんな場面で突然のハプニング。
こっちへ両手を伸ばしたと思えば、ソファーから落ちるように体重を預けてきたもんだから。
支えきれないでバランスを崩した自分の上に、そのまま風音が落ちてきた。
「痛いって、もう」
「ごめーんね」
その謝り方、余計腹立つし。
何でも謝ったら許してくれるなんて思ったら、大間違いだからね。
「いきなり落ちてこないでよ。
びっくりするでしょ」
ちょっと怒鳴ってみると、頬を膨らませた後また目を閉じる。
「おーい、人の上で二度寝するなっ」
グーにした手でコツンと叩いた風音の頭。
「ゆゆぅ…痛いよぉ」
「自業自得ってヤツだよ。
ほら、退いて」
両手で自分の頭を押さえる風音をなんとか回避して、立ち上がったはいいものの。