恋愛倶楽部 -love-
「夢じゃ、ない?」
差し出された手を握りしめて、引っ張って立たせてもらいつつ質問。
あたしを見ると、凪兎は手を伸ばして。
「いひゃい」
あたしの頬をつねった。
後から自分の頬もつねると、いつもの笑顔。
「俺も痛い。
良かった、あんたと一緒にいるのが夢じゃなくて」
告げられた言葉をよくやく理解して。
実感してきたら、嬉しくて嬉しくて。
「本当にいいの?」
その反面、躊躇う気持ち。
「あんたこそ、俺すんごい独占欲強いけどそれでもいいの?」
……独占欲。
あぁ、風音で慣れてるから問題ないよね。
「うん、平気!」
「それ絶対平気じゃないだろ……」
納得してないみたいだけど、気にしない。
だって、気にするほどの余裕がないもん。
それに、気にならなくなるくらい幸せだから。
「とりあえず、帰るか。
っと、言い忘れてた」
再び歩きだそうとした凪兎が、思い出したようにあたしのそばまで来た。