恋愛倶楽部 -love-
その組み合わせで仲良くならないでほしい。
大親友の奏斗は、あたしのことよく知ってるし。
凪兎は大好きな人だから、隠しておきたいこととかあるし。
「ここおいで」
立ちすくむあたしに、凪兎は自分の隣をポンポンと叩く。
それでも、隣に座ることに抵抗があって。
風音に言われたことを思い出し、あたしの席に置かれた箱を手にした。
可愛くラッピングされた箱。
丁寧に開ければ、見慣れたうさぴょんが顔を覗かせる。
「なにそれ?」
凪兎が、座ったまま尋ねてくるから。
「うさぴょんだよ」
目の前まで行って、うさぴょんを突き出す。
「へー、可愛いじゃん。
あんたに似てるね。
誰かからの贈り物?」
受け取って見ると、そんなことを言い出して。
「うん、風音がこのぬいぐるみ好きみたいだよ」
答えるあたしの腕を引っ張って、無理矢理隣に座らせた。
それから、引き寄せるように肩を抱かれて。
「……どうしたの?」
びっくりして聞き返せば、優しい声が近くで聞こえる。
「別に。
こうしたくなったから、こうしただけ」
深い理由は教えてくれなかったけど、それでもいっか。
ぬくもりが心地よくて、そのまま体を預ける。