恋愛倶楽部 -love-
───あれから、約半年。
「なぎ‥と……」
「なに?」
名前を呼ばれて聞き返すけど、返事がない。
寝ぼけてるだけ、か。
見慣れない“部室”とやらに不法侵入──といっても、奏斗に開けてもらったから違う気もするけど。
会いたくて来たけど、少し後悔してる。
まず今、ゆずゆが抱きしめて眠ってるうさぎのぬいぐるみが気に入らない。
ついでに、風音が気に入らない。
ぶっちゃけ奏斗の存在も不安だし、寿羅は置いといて黎緒が油断大敵で。
えーっと、あとは牡丹ってコは女だからいいとして。
とにかく、敵が多いっていうか何というか。
大丈夫なんかな、ゆずゆ。
いや、その前に俺がダメそう。
何なんだよコレ、余裕が全然ない。
だからといって束縛したくないし。
いつ惚れたかと聞かれれば、初めて会った時かもしれない。
ゆずゆは前、俺たちが初めて会ったのは倉庫だって言ってたけど。
本当は違うんだ。
あんたは変なとこで鈍感だから気づいてないかもしれないけど。