恋愛倶楽部 -love-
直接言ってやれなくてごめん、ゆずゆ。
本当は、亜蓮さんのことは話すべきだったんだよな。
あの雪の日だって、泊まったついでに話聞いたけど……
泣いて飛び出して行ったあんたを、追いかけようとしたって。
結局、人混みに紛れて見えなくなったからあきらめがついたって言ってた。
俺は、あんたがどれだけ愛されてたかを知ってる。
だからこそ、あんたに偶然再会しちゃった時は焦ったし。
反面、一緒にいたらダメだって思うほど惹かれていった。
突き放すことで、俺はあんたを守ろうとしたわけじゃない。
自分を守ろうとしてた。
俺は、あんたが思ってるほど優しい人間じゃないよ。
この話を隠してるのも、亜蓮さんにあんたを取られる気がして怖かったからだ。
「ゆゆー、お手伝い終わったから来たよ!
うさぴょん見てくれ──あーっ!」
まだ目を閉じて眠るゆずゆの頭を撫でていると、いきなり開いたドア。
「いちゃつくなら家でやってもらえるかな?」
風音と黎緒がこっちに来る。
「ねぇ、そこボクのお昼寝専用ソファーなんだけど!」
「どうでもいいけど、ゆずゆ今寝てるから騒ぐなよ」
人差し指を立てて注意する。
本当は起こしてって頼まれたけど、無理矢理起こすのは可哀想だし。
と、再び開いたドアから残りの面子が入ってきた。