恋愛倶楽部 -love-
「あら、凪兎さん来ていらしたんですか?
気づきませんでした、忍者の駆け出しのようですね」
「うわー、ゆゆにうさぎは出せって言っといたのに」
「千早、そいつ連れてさっさと帰れ」
いやー、あのさ、どっからツッコめばいい?
満載すぎて困るんだけど。
気づかなかったのは、この近くにいなかっただけであって忍者は今の時代いないし。
それ以前に、駆け出しとかあんの?
うさぎは出せって何の話?
そもそも、
「あ、そう。
なら、ゆずゆ連れて帰るから。
じゃ、またな」
連れて帰っていいわけ?
騒音に負けずに、熟睡してるあんたもすごいよ。
寄りかかってるゆずゆの腕を自分の肩に回す。
「うぅぅぅ」
「なに唸ってんの?」
こっちをものすごい形相で睨んでくる風音。
めんどくさいな。
「ボクのゆ───」
「ゆずゆちゃんは風音さんのではありませんよ?
誰のものであるかは、ゆずゆちゃんが決めることです」
「つーか、そいつはものじゃねーし」
ここの人たちって、いっつもこうなの?
朔が、俺らと似てるって言ってたけど。
それってイコール変人ってことだよな。
いや、もちろん俺抜きで。