恋愛倶楽部 -love-



風音と牡丹の口論と、冷静な寿羅のツッコミが繰り広げられる中。


「凪兎、こっちから出ればスパイの如く脱出できるはずだぜ」

「別にスパイになりたくないし」


奏斗が手招きして案内してくれる。


一緒にくっついてきた黎緒からは、別れ際

「そうそう、亜蓮にたまには遊びに来るように言っといてくれる?」

伝言を任されて。


「あと、恋愛相談ならいつでも受け付けるから、何かあったらメールしておいで」

怖いくらいの笑顔で言われ、作り笑いで返す。


「何かあっても、あんただけは遠慮させてもらうよ」

いろいろとややこしくなりそうだし。





ようやく外に出て、気づいたのは奏斗の曇っている表情。

理由なら、なんとなくわかってるけど。



「奏斗ってさ、ゆずゆのこと好きだろ?」

「おう、ちょー大好き。
って、は!?なにが!?」


今、恥じらいもなく絶対素で答えたよこいつ。

俺が冷めた視線を送ると、慌てて話を続けた。


「だから、大好きっつーか、大事みたいな?
大親友だしオレら!」

「ふーん、じゃあ大親友で止めといてね」


それだけ答えて話を切り上げると、帰ろうと一歩前に出る。






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